TGベイトを使っているアングラーから、こんな質問をよく受けます。
「60gと180g、同じフックでいいですか?」
答えはNoです。ただし、その理由を正確に説明できる人は少ない。
ジグのウェイトが変わるということは、攻める水深が変わり、光量が変わり、ターゲットのサイズが変わるということです。その変化に合わせてフック仕様を最適化しなければ、せっかくのTGベイトのポテンシャルを半分も引き出せていないことになります。
この記事では、M.F.WORKSがTGベイト専用フックをウェイトごとに異なる仕様で設計している理由を、設計ロジックごと公開します。




目次
1. 設計の2軸:コーティングとカラー
M.F.WORKSのTGベイト専用フックは、以下の2つの軸で仕様を決定しています。
【軸1:コーティング】
フッ素コート → 貫通力重視
黒塗装 → キープ力重視
【軸2:カラー】
黒・グレー → ステルス(針の存在を消す)
金 → アピール(フラッシングで寄せる)
この2軸をウェイトごとの使用シーンに当てはめた結果が、現在のラインナップです。感覚ではなく、水深・光量・魚のサイズという物理的条件から導き出した仕様です。
2. フッ素コートと黒塗装、何が違うのか
フックのコーティングは「刺さり方」だけでなく、掛けた後の挙動まで変えます。
フッ素コート:とにかく「刺す」ための技術
フッ素コートは摩擦係数を極限まで下げることで、初期貫通力を最大化する表面処理です。
- 魚の口腔内の硬い部位でも滑らかに刺さる
- ショートバイト・吸い込みが弱い場面でも掛かりやすい
- 軽いジグを使う浅場・中層での繊細なバイトに対応
裏側のデメリット: 表面が滑らかなため、貫通後もフックが動きやすい。モンスター級の長時間ファイトでは、稀にバラシにつながるケースがある。
黒塗装:「離さない」ための技術
黒塗装(焼付塗装)フックは、表面に微細な凹凸があります。この凹凸が貫通後に魚の組織へ食い込み、摩擦抵抗でフックが抜けにくくなるのが最大の特徴です。
- 大型魚の強烈な首振りでもフックが安定する
- 長時間のパワーファイトでキープ力が持続する
- 深場・重量級ジグが活躍する局面に最適
まとめると:
フッ素コート → 「刺す」性能を最大化
黒塗装 → 「離さない」性能を最大化
M.F.WORKSでは軽量域(〜100g)にフッ素コート、重量域(120g〜)に黒塗装を採用しています。これはジグが重くなるほどターゲットが大型化し、ファイト時間が長くなるという使用シーンの変化に対応した選択です。
3. 金針と黒針、水深で使い分ける理由
光は水深で急速に減衰する
水中での光の減衰は、波長によって速度が異なります。赤の波長は浅場で最初に吸収され、深場ではほぼ青・緑の波長しか残りません。
| 水深 | 光の状態 | フラッシングの効果 |
|---|---|---|
| 〜20m | 光量豊富 | 高い |
| 20〜50m | 光量中程度 | 条件次第 |
| 50m以上 | 光量少ない | 限定的 |
金針が有効な条件
金針(ゴールド)は光を反射・拡散してフラッシング効果を生み出します。これが有効なのは、光量が残る水深帯とマズメ時です。
TGベイト100gは中層〜深場のマズメ時に使用されるケースが多く、まだ光量が残る水深帯ではフラッシングによる強烈なアピールが有効と判断しました。
黒針が有効な条件
黒・グレーのフックは光を吸収し、針の存在感を消すステルス効果があります。
警戒心の高い大型の真鯛や青物は、違和感のあるものを瞬時に見切ります。深場や光量が落ちる状況では、フラッシングで「針がある」とバレるよりも、シルエットに溶け込んだ黒針の方が自然なバイトを引き出せます。
4. ウェイト別ラインナップと設計思想
TGベイト60g・80g|貫通力×ステルス
コーティング:フッ素コート
カラー :黒(グレー)
コンセプト :浅〜中層のステルス狙い
浅場・中層を高速で探る60g/80gは、スピード感のある誘いに対する反射バイトが多い。そのバイトを確実に掛けるためにフッ素コートの貫通力を優先。カラーは黒で針の存在を消し、食わせの間を作ります。
TGベイト100g|貫通力×アピール
コーティング:フッ素コート+金仕様
カラー :金
コンセプト :マズメ・深場でのフラッシング特化
シリーズ唯一の金仕様。100gが活躍するマズメ時・深場では、金針のフラッシングがターゲットを強烈に刺激します。フッ素コートの貫通力との相乗効果で、ショートバイトも確実に掛けます。
60g/80gと同じフッ素コートでありながら、カラーだけ変えることで役割を明確に差別化しています。
TGベイト120g|キープ力×ステルス
コーティング:黒塗装
カラー :黒
コンセプト :大型魚のステルス攻略
120gから黒塗装に切り替えます。攻める水深が増し、ターゲットも大型化するこの領域では、フッ素コートの貫通力より黒塗装のキープ力を優先。警戒心の高い大鯛・青物に対してステルスブラックで針の存在を消します。
TGベイト150g|初期貫通+キープ力(細軸)
コーティング:黒塗装・細軸
カラー :黒
コンセプト :弱い吸い込みでも掛けて、離さない
細軸の特性で初期貫通を確保しながら、黒塗装のキープ力を両立させた矛盾解決モデル。スローピッチやフォール中の繊細なバイトにも対応しつつ、掛けた後は絶対に離しません。
TGベイト180g|絶対強度(太軸)
コーティング:黒塗装・太軸
カラー :黒
コンセプト :モンスター級を力でねじ伏せる最終兵器
180gが出番になる局面は、すべてが極限状態です。太軸の絶対強度でモンスター級の突っ込みを受け止め、黒塗装のキープ力が長時間ファイトでも針を離しません。M.F.WORKSのラインナップにおける最強セッティングです。
5. まとめ:システムとして選ぶアシストフック
M.F.WORKSのTGベイト専用フックを整理すると、以下の通りです。
| ウェイト | コーティング | カラー | 優先する性能 |
|---|---|---|---|
| 60g / 80g | フッ素コート | 黒(グレー) | 貫通力+ステルス |
| 100g | フッ素コート | 金 | 貫通力+アピール |
| 120g | 黒塗装 | 黒 | キープ力+ステルス |
| 150g | 黒塗装・細軸 | 黒 | 貫通力+キープ力 |
| 180g | 黒塗装・太軸 | 黒 | 絶対強度+キープ力 |
「どれでもいい」ではなく、その日・その水深・その魚に合わせた最適な一手を選ぶ。それがM.F.WORKSの考えるアシストフック選びです。
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M.F.WORKSについて
「M.F.WORKS」は、兵庫県尼崎市を拠点に活動するガレージブランドです。
アシストフックを、科学的根拠に基づいて一つひとつ手作りしています。
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最終更新:2026年5月
著者:M.F.WORKS

